会長より ご挨拶
greeting
大学女性協会の未来に向けて
大学女性協会会長 長谷川瑞穂
(一社)大学女性協会(JAUW)は80年の歴史を持ち、スイスに本部のあるGWIに加盟している国際的な組織であり、22の支部を持つ国内ネットワークのある組織です。2026年に創立80周年を迎えました。大学女性協会の歴史を振り返ると、1946年10月に前身の大学婦人協会 (JACA:Japanese Association of College Alumnae) が、ホームズ博士(G.H.Q.女子高等教育 顧問)のご尽力により設立されました。目的は女子教育の向上であり、具体的には、一定の基準の女子専門学校を大学に昇格すること、教員の再教育、女子教育の改善などでした。1958年4月に社団法人の認可を受け、現在の大学女性協会 (JAUW:Japanese Association of University Women)という名称になり、2012年には法人改革により一般社団法人として認可され、現在に至っています。また、1954年には発足以来の念願であった国際ネットワーク組織である国際大学婦人連盟(IFUW:International Federation of University Women) に加盟致しました。IFUWは2015年に大卒女性インターナショナル (GWI:Graduate Women International) と名称変更しました。昨年のGWI総会はアフリカのザンビアで開催され、4人のJAUW会員が参加しました。また、GWIのアジア地域組織であるUWAsiaの総会は日本が当番国のため、大学女性協会主催で2026年5月にKKRホテル東京にて開催されます。また、大学女性協会の国内組織である22の支部は、本部と綿密に連携し、活動しています。
当協会の現在の目的は以下の3点です。
(1)女性の高等教育の向上
(2)男女共同参画社会の推進
(3)国際協力と世界平和
(1)に関しては先輩諸姉の努力により1948年以来奨学事業を実施してきました。一般大学院生、障害をもつ学生、大学院生、医学等を専攻する大学院生、若手女性科学研究者への奨学金の贈呈、海外研究者への研究支援等を行い、約1400名の奨学生に奨学金を授与してきました。奨学生は現在、教育機関他各界で活躍しています。また、(2)に関するものとして、昨年の大阪EXPO2025では、『政治における女性たち』をスイスパビリオンで開催し、会員の元法相、外相の上川陽子氏の講演や、会員の議員によるシンポジウムなどを実施致しました。(3)に関しては、本部、支部レベルでそれぞれ留学生との文化交流等を行っています。また、時代に合ったテーマに沿って一般公開の全国セミナーやシンポジウムを開催してきましたが、2026年は昨年、一昨年に引き続き 『ウェルビーイングと環境』というテーマでシンポジウムを行う予定です。過去のセミナー、シンポジウムは毎年報告書が刊行されており、記録が残されています。また、大学女性協会の会報は1949年以来毎年発行され、会員や奨学生の活動などを記録する貴重な資料となっています。2026年度も年に3回発行する予定です。
今年は大学女性協会創立80周年であると同時に戦後81年目になります。第2次世界大戦後に確立された世界秩序が崩れ、戦争や紛争の絶えない世界となりましたが、改めて過去に学び、未来を考えたいと思います。80周年記念行事として、2026年定時会員総会後の午後に一般公開特別講演会、JAUWの80年を振り返る全国総会、晩餐懇親会を行います。メインイベントは東京大学名誉教授(2026年4月から)の加藤陽子氏による「過去を振り返る時、歴史が生まれるー戦後80年の意味と日本の近代」という演題の特別講演です。加藤氏の講演は、過去に学び、α世代をはじめとする次世代にどのような社会を引き継いででいくか…などを考える良い機会となると確信いたします。全国総会では80周年記念誌『HERitage 80』を紹介しながら大学女性協会の80年の歩みを振り返ります。80周年記念誌はUWAsia総会に出席のGWIの会員にも大学女性協会を知っていただきたく、写真を多くし、日本語と英語のバイリンガル表記といたしました。晩餐懇親会では、80周年記念を寿ぎ、最初に海野幹雄氏によるチェロ演奏が予定されております。
本会は会員の会費、寄付によって運営されておりますが、先輩方の寄付活動などにより、移行法人終了に向けて事業や活動ができますことに感謝いたします。皆様のご協力でパトリシア募金は目標額を達成できましたが、移行法人終了後の活動に向けて募金を続ける予定です。引き続きご協力をお願い申し上げます。
世界情勢、気候変動など厳しい状況ですが、同じ目的のもと、大学女性協会の発展、女性の地位向上、世界平和の希求等に向けて会員一同一丸となり、一歩一歩前進していきましょう。
2026年3月