季節の便り アーカイブス

第7回

西川緑道公園」散策のお誘い

  JR岡山駅を背にして、真正面の桃太郎大通りを、4,5分歩くと西川橋に着きますが、橋の下の流れは西川です。ここから西川緑道公園(Nishigawa  canel  walk  ave.)が始まります。西川は、古くは農業用水として、岡山県の三大河川の一つ、旭川から分岐し、市中の田畑の灌水や市民の生活用水、そして岡山城の外堀の水として、人工的にひかれたもので、岡山市民の生活を支えてきました。現在の岡山市街地の中心地を流れる西川は、川幅約6~7メートルで、全長4キロメートルの長さは以前のままです。48年前に造園家の伊藤邦衛氏の設計で作られました。「見る公園」から「歩く公園」として、人々が楽しく交流することを目的に、8~9年かけて緑道公園として整備されました。以後、市民の憩いの公園として親しまれています。

遊歩道は、なだらかな起伏があったり、二つに分かれたりしますが、とくに市の中心部を流れる2.4kmは、車道からの排気ガスを避けるかのように、高さのある樹木(ねむの木・百日紅・しだれ柳・欅・楠・アラ樫・白樫・クロガネモチ・ヒメユズリハ・ソメイヨシノ・藪椿)などなどが植えられ、また、足元近くには、ドウダンつつじ・山茶花・ヤマブキなどが植えてあり、この緑道がきれいな空気で浄化されているような気がしています。

私もこの遊歩道をこよなく愛し、川のせせらぎを聞きながら、公園内の木々・花木の季節ごとの移ろいを日々楽しんでいます。四月ともなれば、辛夷やモクレンのたおやかな白色の花は終わり、桜が満開です。また水上テラスや、川の中には岩のオブジェ、彫刻家・北村西望の「夢」や郷土の政治家和田博雄の句碑などもあります。岡山市にも多くの名所・旧跡・美術館(後楽園・岡山城・オリエント美術館・夢二郷土美術館など)がありますが、どうか岡山へお越しくださった時は、この西川緑道を散策していただき、私たち市民が感じている心を共にしていただければ、この上ない喜びです。心からお待ちしています。

     

                  大学女性協会 元副会長 岡山支部 高田武子

                               2022年3月15日