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大学女性協会とは

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会長より ご挨拶

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未来への贈りもの

大学女性協会会長 加納孝代

 大学女性協会は、高等教育を受けた女性がその教育の成果をもって、女性の教育の向上及び男女共同参画社会の推進を図り、国際協力と世界平和に尽くそう、との決意のもとに1946年、 第二次世界大戦終結の翌年に設立されたNGOです。

 私たちの目の前にある現実の社会は、まだまだ理想からは程遠いものです。とりわけ女性や幼い者たち、病者や弱者の観点から見れば、そうでしょう。それでも百年前、二百年前、さらにその数百年前の社会と比べたら、とても良いものへと変わってきたと思います。

 そんなとき、「未来への贈りもの」という言葉が心に浮かびます。いま日本の女性が当たりまえの権利として受けとめているさまざまなものは、実は祖母や、曾祖母、あるいはもっと前の時代に生きた女性たちが、私たちに宛ててくれた、贈りものではなかったかと、気づかされます。その人たちは自分たちの時代には実現しなかったけれども、少しあとにやってくる私たちの幸せを願って、努力を続けてくれました。

 そうであるならば私たちもまた、次の時代に生きる娘たちの幸せを願って、贈りものを残すべきではないでしょうか。私たちからの「未来への贈りもの」は何でしょうか。それは、女性や幼い者たち、病者や弱者の観点から見て、少しでも良い社会、すなわち社会的公平と思いやりにあふれた社会を実現することではないかと思います。

 大学女性協会ではここ数年、「教育・ジェンダー・共生」というテーマを掲げて、具体的に、「誰ひとり取り残さない共生社会を創るために」、や「あらゆるハラスメントを乗り越えるために」と題する、シンポジウムやセミナーや研究会を行ってきました。そこで得られたもろもろの体験や知見や確信が、「未来への贈りもの」となることを願いつつ。

 今年は「新型コロナ型ウイルス」という思いがけない禍が人類を襲いました。その中で人類は、これまでの歩みの中で何が間違っていたのか、何が足りなかったのか、の反省を迫られています。そして本当に望ましい未来の社会の姿を描くことが求められています。それができたなら、それこそが私たち世代が未来の娘たちに、そしてむろん息子たちにも、宛てる贈りものとなることでしょう。

 難しそうではありますが、やりがいのあるその営みに、どうか皆様も私たちと一緒にご参加ください。ご入会を心よりお待ちしております。

2020年8月