京都支部新年会  

2014年1月25日

 

 最初に中川慶子支部長から新年のご挨拶があった。 そのあと、支部に大きな貢献をなさった高橋

千夏会員が昨年12月13日に102歳の長寿を全うしてお亡くなりになったことを報告され、皆で

ご冥福をお祈りして、黙祷を捧げた。

 

<故高橋千夏会員の略歴>

高橋千夏会員は、若くしてご主人を亡くされて、平安女学院短期大学で英語を教えながら

3人の娘さんを育て上げ(ご長女は、横浜支部会員で、本部でも活躍なさっている松平節

子さん)、その後はさまざまなボランティア活動をなさった。特に京都ルーテル教会の海

外ボランティア活動の1つ、バングラデッシュ女性支援の中心的な役割をになって、洪水

の被害にあったバングラデッシュを何度も訪れ支援物資をお届けになった。最後に赴かれ

たのは85歳の時であった。京都支部では支部長として、又長老のお一人として、大きな貢

献をなさった。大学女性協会本部においても、さまざまな活動をなさったが、なかでも、

それまでは欧米だけに目が向きがちだった大学女性協会の活動に対して、東南アジアの発

展途上国との関係をもっと考えるべきだと主張なさり、会の活動に新しい視点を取り入れ

ることに大きな役割をお果たしになった。お耳がご不自由だったこともあって、この2

ほどは殆ど例会にはご出席ではなかったが、新年会や総会などにはお元気で出席なさって

いた。去年4月の汎太平洋女性会議の総会では若々しいお姿でご出席になっていたとのこ

とだったので、このご逝去の報は突然であったが、最後までお一人でお暮らしになり、さ

まざまな活動をなさっていたとのことで、そのご立派な生き方に会員皆は改めて頭の下が

る思いである。

 

そのあと、今回の新年会は趣向をがらっと変えて、龍谷大学3回生で落語研究会のメンバーであ

る深草亭麦々さんの落語を聞いた。題目は、誰でもどこかで聞いたことがあると思われる「子は鎹」。

――遊び人の大工の亭主に愛想をつかして、嫁は8歳の息子と家を出てしまう。後に残された亭主

は心を入れ替え、寂しさを愚痴りながらも仕事に励んでいるが、何年かのちに、息子に偶然出会う。

母と2人で貧乏生活をしている息子が鰻の身のほうは食べたことがないと言うので、お小遣いを渡

し、一緒に鰻を食べに行く約束をする。息子の様子のおかしいのを怪しんだ母親が、彼を問い詰め

て父親と鰻を食べに行く約束を白状させる。両親に再び一緒になってほしい息子は、鰻屋の場所を

母親に教え、母親は偶然を装ってそこを通りかかり、昔の亭主と会い、「子が鎹」となって、めで

たく元の鞘に納まる、という話である。着物姿で、亭主と嫁のやりとりを軽妙に語る深草亭麦々さ

んの語り口は、大学3回生とは思えないほど堂に入ったもので、皆は盛大な拍手を送った。話の初

めのまくらでは、自分は老人ホームで落語をすることがあるが、おじいさんはあまり笑わないが、

おばあさんはよく笑う、などと言い、聴衆を見て適当な話題を出してくるなど、てなれた様子だっ

た。尊敬する落語家は桂米朝で、出来ればプロの落語家になりたい、とのことだった。頑張って夢

をかなえて下さいとエールをお送りして、ご一緒に集合写真を撮った。

 

 

中華料理の食事が始まり、少し量は多かったが、味は良かったと好評だった。国際奨学生のシテ

ィさんとは、隣に同じキャリア女性の野口久美子会員が座っていたこともあり、又女性問題におく

わしい中川支部長も加わって、女性の結婚、子供、仕事のことなどで話がはずんだ。豚肉は駄目、

その他の肉もハラールと呼ばれる特別な方法で処理されていないものは駄目ということで、魚介類、

卵、野菜を使って特別のメニューを用意してもらった。彼女はとても美味しいと召し上がっていた。

彼女は今妊娠中で、出産予定日は410日前後とのこと。5人の子供がいるが、夫と子供たちは今

こちらに来ていて、一緒にマレーシアに帰るということであった。

 

シティさんは40歳。クアラランプールのマレー大学を卒業後、ペナンのマレーシア大学で修士

号を獲得され、現在、マラ技術大学で講師として物理工学を教えている。(ご主人も同じ大学で電

気工学を教える。)京都大学生存圏研究所では、レーダーによる大気の観測技術を習得している。

豪雨による大洪水などの被害が多発しているマレーシアで、この技術を降雨の予測に応用して、少

しでも国の助けになるような研究がしたいとのことだった。

 

食事のあと、シティさんに簡単なスピーチをお願いしたところ、――現在、宇治の京都大学生存

圏研究所で研修を受けているが、教授を初め皆さんがとても親切にしてくださって、自分の思って

いた以上の成果が上がっている。名古屋での国際学会にも連れて行っていただき、また淀川ダム・

コントロール・センターや信楽レーダー研究所なども見学できて、充実した研修になっているので、

この機会を与えて下さった大学女性協会に感謝している。又、京都支部の皆さんに昨年12月には

宇治でご馳走になり、お正月には阪田さんのお宅の新年会に招待されて他のイスラム教との留学生

とお友達になった。また今日はこのように新年会に招いていただいて、常に私に精神的な支援を下

さり非常に感謝している、とのことをおっしゃった。

 

シティさんは小柄で、おとなしいお人柄のようにお見受けするが、インドネシアでの国際会議で

山本教授の話を聞いて、教授のところで研修を受けたいと申し出をして、それが受け入れられると、

大学女性協会の国際奨学金に応募、それに合格すると、妊娠中にも関わらず、5人の子供と夫を置

いて日本にやって来るという、その芯の強さには、ただ驚いてしまう。いつも大洪水の被害に苦し

んでいるマレーシアだが、レーダーの性能を良くする以外に、港、道路、その他全般的なインフラ

の抜本的な整備が必要だろうし、気の遠くなるような困難があると思われるが、彼女の研究が少し

でも役に立つことを願わずにいられない。

 

シティさんの国際奨学生として帰国前にする研究報告は、妊娠の状況から、東京での発表は無理

なので、京都支部が協力し、また生存圏研究所の山本教授のご支援を得て、宇治キャンパス内で2

22日に研究報告会をすることになっていたが、新年会席上で彼女から早めに帰国すべきだとの医

者の診断がでたとの相談があり、本部と調整して報告会を早めることになった。彼女はパワーポイ

ントの資料は全部用意できている、と発表を楽しみにしている様子だった。〔後日談になりますが、

シティさんの帰国がさらに早まり研究報告会は中止になりました。彼女は本部に詳細な研究レポー

トを提出し、京大の同研究所内でパワーポイントを使用して発表会をしたとの報告を受けていま

す。〕

 

昨年は、台風による大洪水、酷暑、竜巻、大雪による被害など、「今まで経験したことのない」

という形容詞を気象庁が公式に使うほどの異常気象が多発した。家が土台から、また大木が根こそ

ぎ濁流に流されていく光景をよくテレビで目にした。京都でも、50年に1度というぐらいの規模で、

嵐山の桂川が氾濫して、橋が壊れたり、山崩れによる土砂災害こそなかったものの、川沿いの店や

ホテルなどが浸水した映像に胸の痛む思いだった。年の初めに際して、今年はそのようなことがな

いように、おだやかな年になりますようにと祈りながら、皆さんは家路におつきになったことと思

う。