京都支部新年会  2012121

 まず中川慶子支部長の新年の挨拶があった。―2011年3月の東日本大震災以来、日本は大きな試練の時期
を経験している。政治、経済も厳しく、先行き不透明な不安感がわたしたちの生活全般を覆っているが、それ
にも負けず、元気で前に進んで行きたいものである。又、大学女性協会がこの4月から正式に一般社団法人に
なるので、それに従って、会計のあり方も変わり、方針もNPOとしての活動を中心としたものに変えていく必
要がある。京都支部も、新年を期に、活動方針の具体的な方向性を話し合っていきたい、という趣旨のお話だ

った。

 その後、池村佳子さんのチェロ演奏を聴いた。池村さんは、2002年に大学院賞を授与されて京都市立芸大大
学院を終了後、数々の賞に輝き、現在は、ソロ、室内楽を中心に第一線で活躍中のチェロ奏者である。演奏曲
目は、カザルスの[鳥の歌]、バッハの「無伴奏チェロ組曲」より数曲、そして「早春賦」であった。カザル
スの[鳥の歌]はスペイン・カタローニャ地方の民謡で、カザルスが祖国スペインのフランコ独裁軍事政権に
抗議して亡命し、それ以来フランコ政権を支持する国では一切演奏活動を中止していたが、アメリカのケネデ
ィ大統領にホワイトハウスに招待された時、祖国への想いをこめて演奏した曲として有名である。そのあとの
バッハの[無伴奏組曲]は無伴奏という難しさを感じさせない流麗な演奏だった。心の奥に深く響くチェロの
音色に私たちはしばし耳を傾けた。それぞれの演奏のあとの、曲についての池村さんのお話も興味深く、お子
さんを抱えながら第一線でご活躍なさる女性として、ワーク・ライフ・バランスを成功させていることに対して、
一同心から声援をお送りした。

 そのあと食事の時間となり、まず、久代佐智子会員が次のような乾杯の音頭を取ってくださった。「2012
新春、水はどうぞ恵みと希望に方向づけられますように願い、はるかに志貴皇子(しきのみこ)の歌を想いま
す。―<石ばしる垂水の上のさ蕨(わらび)の萌え出る春になりにけるかも>(『万葉集』第八)。京都支部
一同、健康で、すこしでも会員が増え、より着実に有意義に活動出来ることを祈念して 乾杯!」久代先生ら
しい、私たちの心に染み入るお言葉だった。食事中は、各テーブルで話が弾み、ご希望の人にはおいしい紹興
酒が出された。

 食事のあと、中川支部長からの事務報告のなかで、廣田輝子会員が、ニューヨークの「国連女性の地位委員
会(UNCSW)」に、大学女性協会(JAUW)の代表団の1人として出席されるとの報告があり、そのあと、廣田
会員から会議の説明があった。[国連女性の地位委員会]は毎年さまざまなテーマで開催されているが、今年
のテーマは、「農村、山村、漁村の女性の地位」であるとのこと。今回は、JAUWからは4名、国際大学協会
連合(IFUW)の1員としての資格の人が1名、計5名が参加する。1995年の北京「世界女性会議」後、女性
NGOの活動をまとめるいくつかの連絡協議会ができ、JAUWはその中の1つに加盟しているが、その資格で今回
参加する。日本政府も代表団を送り、日本から出席するいくつかの女性団体の人たちは、政府から出発前に1
回と会議中に2回のブリーフィングを受け、日本政府の立場の説明を聞き、会議に関する助言を受けるという
ことである。会議の報告は後日廣田会員からお話ししていただく予定である。

 
去年の大震災以後、政治、経済ともに明るいニュースはあまりなく、ともすれば私たちの心は沈みがちであ
るが、日本人がいつも危機にうまく対処してきたことを思い、日本人の潜在能力を信じて、そして何より、今
年は大きな地震や台風が来ないことを祈りつつ、皆さん家路についたことだろう。